GrannyLapis’s diary

今まで経験してきたこと、今日からのこと、いろいろ思うままに記していきます。

そんなにお腹空いてたの? 顎マスクはファッション?

夜7時ごろの電車の車内でのこと。ドアが開いて若い男性が顎マスクでおにぎりを食べながら入ってきた。わたしの座っているのは優先席の一番奥。ポツポツと座席は空いていたが、立っている人もかなりいた車中で、彼はおにぎりを頬張り続けながら私の前に立った。『いやだな~』そんな顔しながら彼を一瞬見上げたけれど、反応はない。何か言うのも怖い。座席移動もしたくないし、しばらく考えた末にバックの中に感染防止力の強いマスクを常備していたことを思い出し二重マスクにした。私としては穏やかに拒否反応を示したつもりだった。

彼はお握りを食べ終えた。それでおしまいかと思ったら、右手にぶら下げていたコンビニの袋に左手を突っ込んで何やらゴソゴソやり始めた。プーンと匂いが漂ってきた。顔を挙げて指先を確認したわけではないけれど、多分、から揚げを食べ始めた。一つ、二つ…そのたびにガサゴソ紙のすれる音がして匂いが流れてくる。私は下を向いたままその様子を想像している。いくつか食べたあとに指を舐める情景が視界に入ってきた。そして、その手で吊革を握った。周囲には何人もの人がいるけれど、みんな無視している。

駅に電車が着いた。大勢の人が降りていって隣の座席が二つとも空いた。向かい側の座席も空いた。『来るなよ、来るなよ…』マスクの内側で小さく声を発しながら祈った。彼は私の隣一つ座席を空けて座った。コンビニの袋はまだ膨れているけれど、もう食事は済んだようだ。チラっと横目で見ると顎マスクのままスマホに見入っていた。いくつかの停車駅が過ぎて、彼は黒の顎マスクのまま降りていった。

 

写真は赤い実をつけ始めたハナミズキ。突然の秋の到来。